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「安い電気は、燃料が高騰したときが怖い」。そう身構えて調べ始める方は多いはずです。
ただ、enひかり電気の場合はその心配が構造的に起きません。代わりに気をつけるべきなのは、契約アンペアのほうです。
enひかり電気は基本料金390円+一律単価|燃料費調整がありません


enひかり電気の料金は、基本料金390円とエリア別の一律単価だけで決まります。多くの電力会社にある燃料費調整は、この電気には最初から存在しません。
基本料金は契約アンペアで変わりません。10Aでも60Aでも同じ390円です。
アンペアを上げても、基本料金は据え置きのままです。
料金の内訳は3つだけ
毎月の請求は、3つを足すだけで出せます。基本料金390円と、使った分の電力量料金です。
そこに、国が決める再生可能エネルギー発電促進賦課金が加わります。2026年5月検針分から2027年4月検針分までは4.18円/kWhです。
電力量料金の単価は、住んでいるエリアで変わります。使う量が増えても単価は上がりません。
| エリア | 電力量料金(1kWh) |
|---|---|
| 北海道電力 | 28.2円 |
| 東北電力 | 27.8円 |
| 東京電力 | 25.3円 |
| 中部電力 | 27.1円 |
| 北陸電力 | 25.2円 |
| 関西電力 | 25円 |
| 中国電力 | 25.2円 |
| 四国電力 | 25.8円 |
| 九州電力 | 21.7円 |
段階制ではありません。何kWh使っても単価はこの1つだけです。
エリア別の単価は、enひかりの公式ページに一覧で掲載されています。重要事項説明書のPDFも、同じページから開けます。
沖縄電力エリアと一部の島嶼地域だけは対象外です。公式には「提供検討エリア」と書かれています。
「市場連動で高騰する」は、この電気には当てはまりません
新電力と聞いて警戒されるのが、市場価格に連動して請求が跳ね上がるタイプのプランです。enひかり電気は、その方式を採っていません。
重要事項説明書には、燃料費調整額を料金へ反映しないと書かれています。公式の料金ページにも「燃料費調整はありません」と明記されています。






単価表に載っている金額が、そのまま毎月の単価になります。燃料費調整の分まで込みの数字として比べるのが、正しい見方です。
東京電力と比べると月770円安い|30A・260kWhで試算


東京電力エリアの標準的な家庭で比べると、enひかり電気のほうが月770円ほど安くなります。契約30A、使用量260kWhでの試算です。
年間にすると9,200円前後。回線の料金と合算で請求されるため、支払い先が増えることもありません。
大手の単価は、燃料費調整を引いてから比べる
ここで見落とされやすいのが、大手側の燃料費調整です。東京電力の従量電灯Bには、2026年7月分で1kWhあたり7円19銭のマイナスが適用されています。
単価表の数字だけを並べると、大手が実際より高く見えてしまいます。両方を同じ条件にそろえると、内訳はこうなります。
| 30A・260kWh | 東京電力 従量電灯B | enひかり電気 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 935円 | 390円 |
| 電力量料金 | 8,672円 | 6,578円 |
| 燃料費調整 | ▲1,869円 | なし |
| 合計 | 7,738円 | 6,968円 |
この合計に再エネ賦課金1,086円を足すと8,823円になります。東京電力が公表している同条件のモデル料金と、1円まで一致する数字です。
大切なのは単価表ではなく、燃料費調整まで含めた実際の請求額です。
差がいちばん小さいのが、今この時期です
燃料費調整は毎月変わります。マイナスが大きい月ほど、大手の請求は下がる仕組みです。
2026年7月分の▲7円19銭は、大手にとってかなり有利な水準にあたります。仮にこれがゼロになると、同じ条件での差はここまで開きます。
| 東京電力の燃料費調整 | 30A・260kWhでの差 |
|---|---|
| ▲7円19銭(2026年7月分) | 770円 |
| ▲3円 | 1,859円 |
| 0円 | 2,639円 |






enひかり電気の単価は、燃料価格では動きません。燃料が上がって差が開くとき、値上がりするのは大手の側だけです。
20A以下で使用量が少ない人は、逆に高くなります


契約アンペアが20A以下で、月の使用量も少ない場合は、切り替えても安くなりません。enひかり公式自身が、料金ページにその旨を明記しています。
理由は単価の構造にあります。燃料費調整を引いた東京電力の第1段階は実効22.61円で、enひかり電気の25.3円より安いためです。
損益分岐は、契約アンペアで動く
基本料金390円で稼いだ差を、単価の差で吐き出してしまうかどうか。その分かれ目が、契約アンペアごとに変わります。
| 契約アンペア | enひかり電気が安くなる使用量 |
|---|---|
| 10A | 月220kWhを超えたら |
| 15A | 月180kWhを超えたら |
| 20A | 月140kWhを超えたら |
| 30A以上 | どの使用量でも安い |
30A以上で契約しているなら、使用量を気にする必要はありません。
一人暮らしで10Aや15Aの契約なら、切り替える前に一度確かめたほうが確実です。検針票に載っている使用量を、上の表と見比べてください。






オール電化に向かないのは、深夜が安いプランがないから
オール電化住宅にお住まいなら、切り替えはおすすめしません。enひかり電気には、料金メニューが1つしか用意されていないためです。
深夜の単価が下がる仕組みがなく、夜間にお湯を沸かす家庭ほど不利になります。大手のオール電化プランを続けたほうが安く済みます。
電気だけの契約はできません|回線を解約すると月1,110円が乗ります


enひかり電気は、enひかりの回線契約者だけが使えるオプションです。電気単体では申し込めません。
見落とされやすいのは、やめるときのほうです。回線を解約したのに電気だけが残っていると、月1,110円の追加料金が発生します。
これは重要事項説明書と公式の料金ページ、どちらにも書かれている条件です。理由を問わず適用されます。
回線だけ先に解約すると、電気の請求が跳ね上がります。






正しい順番は決まっています。先に電気を他社へ切り替え、それが終わってから回線を解約してください。
電力会社の切り替えは、検針日をまたぐまで完了しません。回線の解約日から逆算して動くのが安全です。
enひかりの解約は20日締めで、日割りにもなりません。締め日を踏まえた手順は、こちらで解説しています。


撤退も値上げもしていません|2026年7月に確認できたこと


2026年7月の時点で、enひかり電気は通常どおり提供されています。撤退の告知も、単価の値上げもありません。
むしろ7月から9月の利用分は、国の支援による値引きが単価に反映されます。8月と10月の検針分が3.5円/kWh、9月の検針分が4.5円/kWhです。
これは国の物価高対策によるもので、どの電力会社を選んでも同じように適用されます。
料金の計算誤りを自ら公表し、返金しています
2026年7月16日、公式が電気料金の計算方法に誤りがあったことを公表しました。電力量の端数処理が正しくなかった、という内容です。
影響額は月あたり最大でプラス20.8円からマイナス21.2円。単価が最も高い北海道電力エリアでの数字です。
過去2年分を再計算し、多く請求していた分は2026年7月分の料金と相殺して返すとしています。少なく請求していた分について、追加の請求は行わないとも明記されました。
ただし公式は「改定の可能性」を否定していません
正直にお伝えしておくことがあります。公式サイトのよくある質問に、料金を改定する可能性が書かれています。
大規模な災害などで卸電力の仕入れ価格が高騰し、その状態が長く続いた場合という条件付きです。「絶対に値上がりしない」わけではありません。
ただし、そのときは違約金なしですぐ抜けられます。enひかり電気には最低利用期間がありません。
改定されても、契約に縛られて払い続けることはありません。
単価が改定されたかどうかは、enひかりの公式ページを見れば分かります。料金表とお知らせが同じ画面に並んでいるためです。
申し込む前に、その時点の単価を公式で確かめてください。数字が変わっていれば、お知らせとして先に告知されます。
enひかり電気のよくある質問
公式サイトと重要事項説明書で確認できた内容に絞って、迷いやすいところをまとめました。
Q. ガスもセットにできますか
できません。enひかりが扱っているのは電気だけで、ガスのメニューはありません。
電気とガスをまとめたい場合は、ガス会社側のセットプランを探すことになります。
Q. 契約アンペアは、切り替えと同時に変えられますか
変えられません。enひかり電気を使い始めたあとであれば、変更を申し出られます。
その場合も、過去3か月の使用状況を確認したうえでの変更になります。
Q. 店舗や事務所でも使えますか
使えます。ただし60A・6kW・6kVAを超える契約は、ビジネス向けの追加料金がかかります。
主開閉器契約なら7kVAから1kVAにつき220円、動力契約なら1kWにつき550円です。
Q. 申し込んだあとにクーリング・オフできますか
インターネットから申し込んだ場合は対象外です。重要事項説明書に明記されています。
対象になるのは、勧誘を受けて契約した場合だけです。
Q. 使い始めた月と解約した月は日割りになりますか
なりません。基本料金390円と再エネ賦課金は、どちらの月も1か月分が満額で請求されます。
使った分の電力量料金だけは、実際の使用量に応じた金額になります。
切り替えは工事なし・解約連絡も不要|必要なのは検針票1枚


切り替えに工事は要りません。今使っている電力会社への解約連絡も不要です。
手元に用意するのは検針票だけ。そこに載っているお客様番号と供給地点特定番号を、申し込みフォームに入力します。
今の電力会社の解約は、新しい会社が引き継いで進めてくれます。
電力メーターがまだアナログの場合は、スマートメーターへの交換が入ります。費用は無料で、立ち会いも原則として要りません。
供給が始まるのは、手続きが完了した月か翌月の検針日からです。日付が決まるとメールで案内が届きます。
引越しのときだけは、自分で解約手続きが必要
住まいを変える場合は、扱いが変わります。新しい住所で申し込むのと並行して、今の住所の電力会社へ自分で解約を申し出る必要があるためです。
この申し出には期限があります。引越しで終了する場合は、解約希望日の10日前までに連絡してください。
間に合わないまま転居すると、手続きが終わるまでの電力料金が自己負担になります。
引越しが決まったら、10日前を目安に連絡してください。






申し込む前に、まず自分の検針票で1か月分を計算してみてください。基本料金390円に、エリアの単価と使用量を掛けた額を足すだけです。
計算に必要な数字は、すべて公式ページに出ています。読み返しながら決められます。
回線そのものの料金や、プランごとの違いはこちらで整理しています。


申込みの手順と、フォームを送ったあとにやることはこちらで確認できます。


まとめ|enひかり電気は「使う量が多い人ほど効く」電気です


enひかり電気の安さは、割引でつくられたものではありません。燃料費調整という変動要素を外し、単価を固定したことで生まれています。
【申し込む前に押さえる4点】
- 基本料金390円+エリア別の一律単価。燃料費調整はない
- 東京電力・30A・260kWhなら、月770円ほど安い
- 20A以下で使用量が少ないと、逆に高くなる
- 回線を解約する前に、電気の切り替えを先に済ませる
















