毎月の固定費の中でも大きな割合を占める携帯料金やネット代。「もっと安くできないかな?」と感じている方は多いのではないでしょうか。




スマホや自宅のインターネット回線の契約をそのままにしていると、知らないうちに年間数万円以上の差が生まれることもあります。でも、プランの見直しや乗り換えを検討するだけで、毎月数千円の節約が実現できるケースも少なくありません。
この記事では、携帯料金とネット代を効果的に節約する方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。格安SIMへの乗り換えから光回線の見直し、WiFi活用術まで、今日から実践できる具体的な節約方法を紹介していきます。
通信費の平均を世帯別に確認しよう
まずは自分の通信費が高いのか安いのかを判断するため、世帯別の平均額を確認していきましょう。総務省の調査データをもとに、一般的な通信費の目安を紹介します。
一人暮らし・家族世帯別の通信費平均
総務省の家計調査によると、世帯あたりの通信費は以下のような平均となっています。
世帯タイプ | 月額平均 | 年間合計 |
---|---|---|
単身世帯(一人暮らし) | 約6,000円〜8,000円 | 約72,000円〜96,000円 |
二人以上世帯 | 約12,000円〜15,000円 | 約144,000円〜180,000円 |
一人暮らしの場合、携帯電話とインターネット回線を合わせて月6,000円〜8,000円程度が平均的です。家族世帯では、利用する人数が多いほど通信費も増加し、月12,000円〜15,000円程度となるケースが多く見られます。






携帯料金とネット代の内訳を把握する
通信費を効果的に節約するには、まず現在の支出の内訳を把握することが重要です。一般的な通信費の内訳は以下のようになっています。
- スマホ料金:基本料金+通話料+データ通信料+オプション料金
- 固定回線料金:光回線基本料金+プロバイダ料金+ルーターレンタル料
- その他:有料オプション、端末の分割払いなど
大手キャリアを利用している場合、スマホ1台あたりの月額料金は平均5,000円〜8,000円程度となるケースが多いです。一方、光回線とプロバイダを合わせた固定回線の料金は、戸建てで月5,000円〜6,000円程度、マンションで月4,000円〜5,000円程度が相場となっています。
これらを合計すると、一人暮らしでも毎月9,000円〜13,000円程度の通信費がかかる計算になります。しかし、契約内容を見直すことで、半額近くまで削減できる可能性もあるのです。
自分の通信費が高いかどうかのチェックポイント
次のチェックリストに当てはまる項目が多いほど、通信費を節約できる可能性が高くなります。
- 大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)を3年以上契約している
- 毎月のデータ使用量が契約プランの容量より少ない
- 自宅に光回線があるのに、スマホで大容量プランを契約している
- 使っていない有料オプションに加入している
- 家族全員が別々のキャリアを利用している
- スマホと光回線のセット割を利用していない
特に注意したいのが、契約時に加入した有料オプションです。多くのキャリアでは、初回契約時に「初月無料」という条件で複数のオプションサービスを勧めてきます。解約を忘れてしまうと、毎月数百円〜1,000円程度の不要な料金を払い続けることになってしまいます。
スマホ料金を節約する方法
スマホの料金は、契約するキャリアやプランによって大きく変わります。ここでは、携帯料金を効果的に節約する3つの方法を詳しく解説していきます。
大手キャリアから格安SIMへの乗り換えを検討する
スマホ料金を大幅に節約する最も効果的な方法は、格安SIMへの乗り換えです。大手キャリアから格安SIMに変更するだけで、月額料金を半額以下に抑えられるケースも少なくありません。






格安SIMのメリット・デメリット
格安SIMの主なメリット
- 月額料金が安い:大手キャリアと比べて月2,000円〜4,000円程度安くなる
- 契約の縛りが少ない:最低利用期間がない会社も多く、解約金が不要なケースが多い
- 自分に合ったプランが選べる:データ容量を細かく選択できるサービスが豊富
- 大手キャリア回線を使用:ドコモ・au・ソフトバンクの回線を利用するため、接続エリアは同じ
格安SIMの主なデメリット
- 通信速度が遅くなる時間帯がある:昼休みや夕方など、利用者が多い時間帯は速度が低下しやすい
- キャリアメールが使えない:@docomo.ne.jpなどのメールアドレスは利用できない(有料で引き継ぎは可能)
- 実店舗が少ない:対面サポートを受けられる場所が限られる
- 初期設定は自分で行う:APN設定など、基本的な設定は自分で対応する必要がある
乗り換え前に確認すべき通信速度・サポート
格安SIMに乗り換える際は、以下のポイントを事前に確認しておくことが重要です。
1. 通信速度の実測値をチェック
格安SIMは会社によって通信速度に差があります。価格比較サイトや口コミサイトで、実際の利用者の速度測定結果を確認しましょう。特に平日の12時〜13時、18時〜20時の速度が重要です。
2. 利用回線の確認
格安SIMはドコモ・au・ソフトバンクのいずれかの回線を借りて提供しています。現在使用しているスマホをそのまま使う場合は、同じ回線を利用する格安SIM会社を選ぶとスムーズです。
3. サポート体制の確認
電話サポートやチャットサポートの有無、対応時間を確認しておきましょう。実店舗でのサポートが必要な方は、店舗展開している格安SIM会社を選ぶことをおすすめします。
大手キャリアでも安いプランを選べることがある
格安SIMへの乗り換えに抵抗がある方でも、大手キャリア内でプラン変更するだけで料金を抑えられる可能性があります。
低容量プラン・オンライン専用ブランドの活用
大手キャリア3社は、オンライン専用の格安プランを提供しています。
- ahamo(ドコモ):月額2,970円で20GB
- povo(au):基本料金0円+必要な分だけトッピング購入
- LINEMO(ソフトバンク):月額990円で3GB、または月額2,728円で20GB
これらのプランは、大手キャリアの回線をそのまま使えるため、通信速度や接続の安定性は通常プランと変わりません。店舗サポートが不要で、オンラインでの手続きに抵抗がない方には最適な選択肢です。
家族割・光セット割の併用でさらに安く
大手キャリアでは、家族での契約や光回線とのセット契約で割引が適用されるサービスを提供しています。
割引タイプ | 割引額の目安 | 適用条件 |
---|---|---|
家族割引 | 月550円〜1,100円/1回線 | 同一名義または家族での複数回線契約 |
光セット割 | 月550円〜1,100円/1回線 | 同じキャリアの光回線とスマホをセット契約 |
例えば、家族3人でドコモを利用し、ドコモ光とセットで契約している場合、1人あたり月1,100円×3人=月3,300円の割引が受けられます。年間では39,600円もの節約になる計算です。



WiFiを活用してスマホの通信量を減らす
プラン変更や乗り換えをしなくても、WiFiを上手に活用することで通信費を節約することができます。
自宅や外出先でのWiFi利用を習慣化
スマホのデータ通信量を減らすには、WiFi接続を積極的に利用することが効果的です。
- 自宅では必ずWiFi接続:動画視聴やアプリのダウンロードは自宅のWiFiで行う
- 公共WiFiの活用:カフェや駅、商業施設などの無料WiFiを利用する
- 自動接続設定:一度接続したWiFiには自動で接続されるよう設定する
- バックグラウンド通信の制限:アプリの自動更新をWiFi接続時のみに設定する
通信量削減でスマホプランを下げる
WiFiを積極的に活用することで、毎月のデータ使用量を大幅に削減できます。現在の使用量を確認し、実際の利用状況に合った小容量プランに変更することで、月額料金を下げることが可能です。
例えば、現在20GBのプランを契約しているものの、実際の使用量が5GB程度であれば、3GB〜5GBのプランに変更するだけで月1,000円〜2,000円程度の節約になります。



ネット代を節約する方法
自宅のインターネット回線の料金も、見直し次第で大きく節約できる可能性があります。ここでは、ネット代を効果的に削減する方法を紹介します。
光回線の料金プランを見直す
現在契約している光回線のプランが、本当に適正価格なのかを確認することから始めましょう。
契約中のプロバイダ料金が適正か確認
光回線の月額料金は、回線事業者とプロバイダの料金を合わせた金額です。以下が一般的な料金相場となります。
住居タイプ | 月額料金の相場 |
---|---|
戸建て(一軒家) | 5,000円〜6,500円 |
マンション・集合住宅 | 3,800円〜5,000円 |
もし現在の料金がこの相場より高い場合は、他社への乗り換えや料金プランの見直しを検討する価値があります。特に契約から3年以上経過している場合、新規契約者向けの割引キャンペーンが適用されなくなり、料金が高くなっているケースが多いです。
不要なオプションの解約で月数百円〜千円の削減
光回線の契約時に加入した有料オプションサービスは、使っていなければ解約することで毎月の支出を減らせます。
見直すべき主なオプション
- セキュリティソフト(月300円〜500円程度)
- リモートサポート(月500円〜800円程度)
- IP電話サービス(月300円〜500円程度)
- メールアドレス追加(月200円〜300円程度)
- 訪問サポート(月500円〜1,000円程度)
これらのオプションを3つ解約するだけで、月1,000円〜2,000円、年間12,000円〜24,000円の節約になります。セキュリティソフトは無料のものでも十分な性能がありますし、リモートサポートも契約後はほとんど使用しないケースが多いです。
ルーター買い替えで通信速度改善も
月額料金ではありませんが、古いルーターを使い続けていると通信速度が遅くなり、結果的にストレスや非効率につながることがあります。
プロバイダからレンタルしているルーターの場合、月300円〜500円程度のレンタル料がかかっています。市販のルーターを購入すれば、1年〜2年でレンタル料の元が取れる計算になります。
最新のWiFi6対応ルーター(5,000円〜10,000円程度)に買い替えることで、通信速度が改善され、家族全員が快適にインターネットを利用できるようになります。
モバイルルーターやホームルーターに変更する
一人暮らしの方や、インターネット利用が少ない方には、光回線ではなくモバイル回線を使ったルーターの方が適している場合があります。
工事不要で月額が安いケースも
モバイルルーターやホームルーターの主なメリットは以下の通りです。
- 工事不要:端末が届いたらすぐに使える
- 月額料金が比較的安い:月3,000円〜4,500円程度で利用可能
- 引越し時も継続利用:住所変更の手続きだけで移転先でも使える
- 外出先でも使える:モバイルルーターなら持ち運びが可能






通信速度やデータ容量の確認ポイント
モバイルルーターやホームルーターに変更する際は、以下のポイントを必ず確認しましょう。
1. データ容量制限の有無
「無制限」と記載されていても、一定期間に大量のデータ通信を行うと速度制限がかかるサービスもあります。契約前に詳細な利用条件を確認することが重要です。
2. 実際の通信速度
カタログ値の最大速度ではなく、実測値を確認しましょう。口コミサイトや速度測定サイトで、実際の利用者の測定結果をチェックすることをおすすめします。
3. 利用目的との相性
- 動画視聴やオンライン会議が多い→光回線の方が安定
- ネット閲覧やSNS利用が中心→モバイルルーターでも十分
- オンラインゲームやライブ配信→光回線が必須
スマホと光回線をセットで見直すとさらにお得
携帯料金とネット代を別々に見直すのではなく、セットで検討することで、より大きな節約効果が期待できます。
セット割による月額割引の仕組み
多くのキャリアや通信会社では、スマホと光回線を同じ会社でまとめることで、月額料金から割引が適用される「セット割」を提供しています。
キャリア | 光回線サービス | 割引額(1回線あたり) |
---|---|---|
ドコモ | ドコモ光 | 月550円〜1,100円 |
au | auひかり、ビッグローブ光など | 月550円〜1,100円 |
ソフトバンク | ソフトバンク光、NURO光 | 月550円〜1,100円 |
家族で同じキャリアを使っている場合、家族全員分のスマホに割引が適用されます。例えば家族4人全員がドコモを利用し、ドコモ光とセットにすれば、月1,100円×4人=月4,400円、年間52,800円の割引になります。






格安SIM×光回線の組み合わせで年間数万円節約も可能
大手キャリアのセット割も魅力的ですが、格安SIMと格安光回線を組み合わせることで、さらに大きな節約効果が得られるケースもあります。
節約効果のシミュレーション例
【現在の契約】
- 大手キャリアスマホ(2人分):月14,000円
- 光回線:月5,500円
- 合計:月19,500円
【見直し後】
- 格安SIM(2人分):月6,000円
- 格安光回線:月4,000円
- 合計:月10,000円
節約額:月9,500円、年間114,000円
このように、スマホと光回線を両方見直すことで、年間10万円以上の通信費削減も十分に可能です。浮いたお金を貯蓄や趣味、家族との旅行などに回すことができます。
セット契約時の注意点(解約金・契約期間・特典条件など)
セット割は非常にお得ですが、契約時にいくつか注意すべき点があります。
1. 契約期間の縛り
光回線には2年〜3年の契約期間が設定されているケースが多く、期間内に解約すると違約金が発生します。金額は3,000円〜10,000円程度が一般的です。
2. 工事費の残債
新規契約時の工事費を分割払いにしている場合、解約時に残債を一括で支払う必要があります。「実質無料」となっている工事費も、途中解約すれば残額を請求されるので注意が必要です。
3. キャッシュバック条件
高額キャッシュバックを提供しているサービスの中には、複数の有料オプション加入が条件になっているケースがあります。契約前に条件をしっかり確認し、不要なオプションは早めに解約しましょう。
セット割は、スマホまたは光回線のどちらかを解約すると適用されなくなります。片方だけ乗り換える際は、割引がなくなることも考慮して総額で比較しましょう。
通信費の見直しで失敗しないための注意点
通信費の節約を成功させるためには、いくつか注意すべきポイントがあります。後悔しないために、契約変更前に確認しておきたい重要事項を解説します。
契約変更前に違約金・手数料を確認
乗り換えや契約変更で節約できる金額が大きくても、解約時の費用が高額だと、節約効果が半減してしまいます。
確認すべき費用項目
- 解約金・違約金:契約期間内の解約で発生(0円〜10,000円程度)
- MNP転出手数料:電話番号を引き継ぐ際の手数料(現在は多くが無料)
- 工事費残債:分割払い中の工事費の残額(0円〜20,000円程度)
- 端末代金残債:スマホ本体の分割払いが残っている場合
- 新規契約事務手数料:乗り換え先での初期費用(3,000円程度)
これらの費用を事前に計算し、節約効果が費用を上回るかを確認してから契約変更を行いましょう。多くの場合、2〜3ヶ月で元が取れる計算になりますが、念のため確認することをおすすめします。
通信速度・エリア・データ容量を事前にチェック
料金だけで判断せず、サービスの品質も必ず確認しましょう。
1. 対応エリアの確認
特に光回線やホームルーターは、提供エリアが限られている場合があります。契約前に、自宅の住所が対応エリアに含まれているか必ず確認してください。公式サイトで郵便番号を入力すれば簡単にチェックできます。
2. 通信速度の実測値
カタログ値の「最大速度」ではなく、実際の利用者の測定結果を参考にしましょう。口コミサイトやSNSで「サービス名 速度」などと検索すると、リアルな情報が得られます。
3. データ容量の適切な見積もり
現在の使用量よりも少ないプランを選ぶと、月末に速度制限がかかってストレスになります。逆に多すぎるプランは無駄な出費につながります。過去3ヶ月程度の使用量を確認し、適切な容量のプランを選びましょう。



家族全員の利用状況を踏まえて最適化する
一人暮らしであれば自分の使い方だけを考えれば良いですが、家族で暮らしている場合は、家族全員の利用状況を把握することが重要です。
家族で見直す際のポイント
- データ使用量の確認:家族それぞれの毎月の使用量をチェック
- 通話の頻度:通話が多い人は、かけ放題オプションが必要か検討
- 端末の購入時期:分割払い中の端末がある場合は解約タイミングを調整
- 家族割の活用:同じキャリアにまとめることで割引が受けられる
- 年齢による割引:学生割引やシニア割引が適用できる家族がいるか確認
家族全員で同じキャリアを利用している場合、一人だけ乗り換えると家族割の割引額が減ってしまうケースもあります。家族全体での総額を比較して、最も節約効果が高い方法を選びましょう。
まとめ
携帯料金とネット代の節約は、毎月の固定費を大きく削減できる効果的な方法です。この記事で紹介したポイントを改めて整理しましょう。
- 現状を把握する:世帯別の平均と比較し、自分の通信費が高いか確認
- スマホを見直す:格安SIMへの乗り換えや、大手キャリアの低容量プラン活用
- WiFiを活用:自宅のWiFiや公共WiFiを使ってデータ使用量を削減
- 光回線を見直す:料金プランの確認、不要なオプション解約、モバイルルーター検討
- セットで見直す:スマホと光回線をセットにすることで割引を最大化
- 失敗しないために:解約金や通信速度、家族全員の利用状況を事前確認
通信費の見直しは、一度行えば毎月自動的に節約効果が続くのが最大のメリットです。月3,000円の節約でも年間36,000円、5年間で180,000円もの差になります。






まずは現在の契約内容や使用状況を確認することから始めてみましょう。この記事で紹介した方法を参考に、自分に合った節約プランを見つけて、無理なく通信費を削減してください。